『のぼうの城』の2映画篇
秀吉はいろんな映画やドラマでいろんな役者が演っている。本作、市村正親でまず間違ってはいなかった。『テルマエ』みたいに風呂に入って尻を出しているのだが、それも混浴なのだが。一緒に湯に浸かる女は壇蜜がよかった、という後悔は否めない。のぼう=成田長親も別な役者がいれば本当はもっとよかったのだが。野村萬斎にはやはり不満が残るのだ。田楽踊りをうまく演じられるというだけで、おおよそ原作のイメージを正反対の人物にしてしまうのはいかがなものか。
『容疑者Xの献身』における醜男の天才数学者をまさかの堤真一に演じさせたという誤り以上に罪深いと私は考える。
まいうーの石塚英彦の方がよほどふさわしかった。石塚英彦が田楽踊りやったらもっと凄まじく面白かっただろう。
野村萬斎は監修すればいいのだから。でなければ野村萬斎が20kgほど体重を増やすべきだったのだ。
しかしこういうミスキャストにかかわらず本作は時代劇としての出来栄えはなかなかよい。
監督の2名はいい仕事をした。グッジョブ!
芦田愛菜は適役。
佐藤浩市も悪くない。
夏八木薫は丸くなりすぎ。
鈴木保奈美は目立たなすぎ。
尾野真千子、相当は適役。
原作者が脚本も書くとよくないというのが私の見解なのだが、本作については成功であった。
なにしろ小説よりも脚本が先にあったというのだから、そういう意味でも例外に属する。
上地雄輔は好演。
山田孝之は、『13人の刺客』とともに罪作りに終わった。尻出しも不要。
成宮寛貴、完全に役を取り違えた。
山口智充、下手くそ。
前田吟、無難。
平岳大、バカ。
平泉成、平凡。
西村雅彦、まちがいなし。
榮倉奈々、上上吉。映画に清涼感をもたらしている。