映画とその原作

小説でも詩でもルポでも戯曲でもいいけど原作がある映画とその原作について無駄口をたたく

2013-01-01から1年間の記事一覧

007/カジノ・ロワイヤル(2006)

原作の発表が1953年だから、50年以上を隔てての(二度めの)映画化だ。 舞台も現在に置換えられて原作が書かれた頃にはなかった小道具が頻出する。 携帯電話とPCとかインターネットだ。 ボンドの愛車アストン・マーティンも最新式で登場するが、ヴェスパー…

「007/カジノ・ロワイヤル」原作篇

p109 創元社推理文庫 井上一夫訳 シュマンドフェールでもバカラでも、三度目の勝負というのが鉄壁の障害になるのだった。第一と第二の試練で勝つことはできても、三度目の勝負は大抵負けになる。 「カジノ・ロワイヤル」は二度映画化されている。 007は二度…

黒澤明式『どん底』(1957)

どん底(1957) メディア 映画 上映時間 137分 製作国 日本 初公開年月 1957/09/17 外国文学の翻案による映画化を黒澤は何作か手がけている。 その全てが見事に日本の土壌に移し替えられ、原作が外国のものと想像もつかないものさえある。 『どん底』はそのひ…

『黒い雨』井伏鱒二作

まだ読んでいる途中だが、おそろしく密度が濃い作品だ。ほんの数ページの中に原爆が落ちた広島の犠牲者たちの模様がつぎつぎに描かれていく。 これを映画化したのは今村昌平だったが、いまさらながら今村のバイタリティの強さに驚くばかりだ。 今村昌平の最…

インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア(1994)

レスタト。 名前をいつ告白するのかがポイントになる。 原作者が脚本を書いた本作だけに、アン・ライス自身がそれを十分に心得ていた。 だから映画では、ルイス(ブラッド・ピット)が「レスタト」と口走った時にサンディエゴというパリのヴァンパイアに狙わ…