映画とその原作

小説でも詩でもルポでも戯曲でもいいけど原作がある映画とその原作について無駄口をたたく

『白ゆき姫殺人事件』(2014)

井上真央は全速力で何処へ。タイトルがゴダールみたいだ。それだけでこの映画を好きになってもいいくらいだ。


三木典子が菜々緒であるところは、納得できる。しかもハマり過ぎて意外性無く、むしろミスキャストだった。狩野里沙子の蓮佛が相変わらずの気持ち悪さで好演している。小野恵令奈も飾らない演技で堂々たるものだ。

 

 

Sの文字のマグカップを狩野が割ってしまうのだ。床に落としてバラバラになるが、原作はひびが入っただけ。それゴミ箱から拾って城野は愛車の中でキャンディ入れとして使っている。それだけの愛着のものだということを誰かが語っていた。
小沢が城野を目撃する場所が違う。駅前のタクシー乗り場ではない。飲み会の帰りに寄ったカフェの席からだ。赤星に取材受けるのもそのカフェだ。
その赤星は週刊誌のフリーライターじゃなくて、テレビのディレクターみたいなことやっている男だ。一層胡散臭く脚色されているのだ。
Sの文字、芹沢ブラザースグッズであることを指す。
原作だと狩野は友達のみっちゃんと弁償としてMの文字のマグカップを買ってくるのだ。美姫のM、三木のM、みっちゃん=満島のMとMにまつわる不吉なものをあたかも蔓延させるのだ。Mは間違いのMでもある。Sを城野のSと間違えている。